
作家・松本清張が生まれて、今年で100年。それを記念して、テレビドラマが、各局で放映されています。一時代前の作品が、何故こんなにもてはやされるのか?。
すでに今年は、スペシャルドラマ「疑惑」(朝日系)、「黒の奔流」(テレビ東京系)、「駅路」(フジテレビ系)が放映され、連続ドラマ「夜光の階段」(朝日系)が放映中です。
「黒の奔流」で、主人公の国選弁護士を演じた船越英一郎さんは「ごく平凡な男が、次第に追い詰められ、弱さを露呈していく。その心理が誰にも解る話に思えて、恐ろしいんです。上質なサスペンスですよね」。
テレビ朝日の藤本一彦プロデューサーは「夜光の階段」は、のしあがり系のドラマです。「誰にも思い当たる人間の欲や業(ごう)。清張さんは、そこを小気味よく描きます。時代は変わっても、作品に流れる感情はまるで古びない。そこが、すごいですね」と。
清張さんは1909年、北九州市小倉北区に生まれ、41歳の時に「西郷札」が雑誌の公募に入選し、知られるようになり82歳で亡くなるまでに千編以上の作品を残されました。
日本の推理小説史上「動機の作家」とも呼ばれ、それまでの江戸川乱歩などが「謎解き」中心だったのに対し、犯人の「動機」を深くえぐり出し描いたからです。
「清張さんは、人が人を殺すには必ず切実な理由が有り、そこを追求すれば、人間と社会をえぐるドラマが書けるはずだと。それを意図的に描き出した」。一貫していたのは「現実をリアルに見る目」と『松本清張を推理する』(朝日新書)を著した作家の阿刀田 高さん。
日本文学を専攻する立教大の石川 功教授は「"動機なき犯罪"がはびこる今、私たちは他者を理解したいと、どこかで願っています。そけに、清張は『犯罪には必ず動機が有るのだ』と、力強く問い掛けています」と語っています。
