
岡山県高梁市(たかはしし)の山あいに在る吹屋は、銅山とベンガラで栄えた町です。吹屋銅山の歴史は千年以上前に遡ります。江戸末期に鉱山の捨て石から天然のローハー(硫酸鉄)が発見されたのがベンガラ製造の始まりと云われています。
硫化鉄鉱を焼いて出来たローハーをホウロクに入れて窯で焼き、清水で何回もあく抜きをして作られた吹屋ベンガラは良質で、陶磁器の絵付けや漆器の下塗り、朱肉や家屋の塗装などに使われた。
日本で唯一のベンガラで栄えた吹屋は、やがて人口硫酸鉄による製造に押され、鉱山閉鎖とともに製造が終わりました。
しかし、映画「八つ墓村」のロケ地にもなった「広兼邸」は1800年頃、銅山とローハー製造で百万の富で築いた屋敷は豪壮です(貴重な遺産として県に寄贈されています)。
また、隣町の備中宇治の江戸時代の庄屋屋敷、「元仲田邸くらやしき」は、寄贈された文化遺産を町興しの一環として、地元の女性達により運営する宿泊施設として利用されています。